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3月15日:土肥博至先生ご退任記念講演
本日は神戸芸術工科大学学長・土肥博至先生の最終講義(退任記念講演)の日である。
ご講演は、お生まれになってから現在にいたるまでの(仕事(と趣味)の)遍歴を語られるというもので、メモも取ってはあるのだが、ご自身が「最近の過剰な個人情報保護の風潮に個人的抵抗を試みる」と宣言してはじめられたとおり、長年お付き合いがあった先生方でも知らなかったというエピソードや未公開写真が盛りだくさん。大変面白く拝聴したのだが、どこまで Web 上に出していい話なのか全く判断がつかないので(笑)ディテールの掲載は省略。
ただ、(筑波に進出する関係省庁・諸団体の海千山千の人たちと渡り合いながら)筑波研究学園都市のマスタープランを組み立てられ、筑波大学のキャンパスもデザインなさった上で教員に転じたご経験を通じて鍛え上げられた「全体像をイメージする力」と「(バックグラウンドが違う)メンバーをまとめあげる力」、そして激務の間にも多彩かつアクティブな趣味の時間を欠かさないパワーと「メリハリの利いた時間の使い方」が、学長としての先生の大学づくり・大学改革のベースにあったことがよくわかった。
筑波で「退官記念論文集」をまとめる時に、「本を作る」面白さを再発見した、という土肥先生監修の最新刊がこちら。
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吉武記念ホールでのご講演の後は、カフェでパーティ。現役・卒業生を問わず教え子のみなさんや、谷岡一郎理事長をはじめOB・OGを含む本学と谷岡学園の関係者、県・市や地元企業のみなさんなど、主催者の想定を上回る数の来場者が、先生に感謝の意を表すために集まり、大いに盛り上がった。
なお、パーティの席上、先端芸術学部棟とデザイン教育センター棟の間に、先生のご退任を記念した大きな山桜の木が植樹された旨報告があった。
以下は私自身のことになるが……縁あって昨年神戸に赴任してきたが、2005年夏に、先端芸術学部の開設(というより、安彦良和先生の教授ご就任)のニュースを聞いた時は、(前職の)JAFSA の事務局入りもまだ決まる前の、大学院生というか浪人中の時期で、まさかそれから2年も経たぬうちに自らがその大学に勤めることになるとは思っていなかった。そんな私を「チーム」に招いてくださったのが土肥先生である。
その意味において、あのとき先生にお声掛けいただかなかったら、今の私はなかったのだが、「いきなり准教授・しかも任期なしで採用」という話には、最初は正直耳を疑った。特に「任期なし」の方は今どきまずあり得ない話である。
それでも母ともども(文字通り)「列車に飛び乗った」のは、もちろんこんないい話が他にあるわけがないからなのだが、流れを決定的にしたのは、「こんないい話は(以下略)」と思いつつも、どう考えても現住所から通勤可能な距離ではないので、嫁のなりてもいないままこの年まで来てしまった一人息子として、どーしたものかと迷う私に、入手した大学案内などで先生のお姿を拝見した母が第一印象を口にした「あら、なんだか、お父さんに似てるわね(押し出しのいい感じとか、割と面長でいらっしゃるところとか、ヘアスタイルとか(^_^;))」という一言だったというのは、今だから言えることである……こんなこと、採用前の面接で言ったらおべっかにしか聞こえないし(苦笑)
ついでに言えば、先生がかなりのヘビースモーカーであることを知ったのは神戸赴任後のことなのだけれど、バルコニーから、キャンパスを行きかう学生たちを眼で追いながら煙草をくゆらせる先生のお姿に、同じく(私が小学校の時に手術して禁煙を余儀なくされるまで)かなりの煙草のみだった父の記憶がダブったりしていたのも、こうしてブログに書くまで、母以外には言っていなかった話である。
赴任からまもなく1年。国際交流要員としての仕事も「込み」でご採用いただいたわけだが、だからといって英語教員(しかも英語科専任は私だけ)としての仕事に手抜きが許されるわけではなく、何もかもが初体験の日々に、冷や汗をかき、いろいろな方にご心配・ご迷惑をおかけし、常に時間と労力の配分に迷いながら、どうにかついていくのが精いっぱいだった。
これから「何をなすべきか」について、自分なりの考えが全くない、というわけでもないのは、このブログにも未整理のままときどき見え隠れしてしまっているけれど、いかんせん日々目の前で起こっている出来事ひとつひとつに取り組むのが精いっぱいで、たぶん土肥先生が期待しておられたであろう、より広い視点からの「全体像のイメージ」、あるいは戦略構想を体系だったものとしてご提案できるところまでまとめきれないうちに1年が経ってしまったこと、それは私の勉強不足・努力不足で、内心忸怩たるものがある。
絵心のない私は、本学にお勤めの多くの先生方や学生諸君のような芸術作品を作るべくもないのだが、国際交流になるか英語教育になるか、はたまた初年次教育になるかわからない、というより(それぞれが互いに隣接し重なり合う領域なので)おそらくは全部に関わってくる「何か」をデザインし、神戸芸工大発の「作品」として、いつか(って、そんなに時間をかけてもいられないが)土肥先生にもご覧いただくお手伝いができたら、と願っている。
それこそが私が先生からいただいた「宿題」であろうと思うわけだが……もとより私ひとりでできる仕事ではないので、これからもいろいろな方にご心配やらご迷惑やらおかけしつつ、またご指導とお力添え(と、たぶんお叱りも)をいただきつつ、頑張っていこうと思う。
この機会に改めて土肥先生と芸工大のみなさまのご厚情とご指導に感謝しつつ、みなさま今後とも何とぞお見捨てなく、ご指導のほどよろしくお願いします。