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SARS: 素朴な疑問(飛ばされた翻訳)

 国立感染症研究所感染症情報センターの SARS 緊急情報には、

http://idsc.nih.go....

 WHO の SARS 情報の日報(Update)が翻訳されていますが、昨日行ったら、WHO 11日付けの Update-78 のあと、12日付けの Update-79 を飛ばして、中国向け旅行勧告の大幅解除を発表した 13日付けの Update-80 を訳していて、今日(17日昼)になっても出てこない。

 ところが飛ばされた79を見ると、

Update 79 – Situation in China
http://www.who.int/...

……北京での感染ルートの70%が不明だとか(感染症部長が視察に訪中する前の話より悪化している)、地方から中央政府への報告体制がなってないとか、いろいろ書いてある。

 なぜ翻訳されないのか?
 そして Update-79 に書かれているような深刻な問題がろくに報道されないのはなぜなのか?

(18日追記)和訳は本日ようやく収録されました。

当ブログの記事内容はすべて管理人の私見であり、勤務先・所属組織等の公式見解ではありません。
03/06/17 23:00 - Hiro - - TrackBacks(No Trackbacks) - Permalink このエントリーを含むはてなブックマーク このエントリーをはてなブックマークに追加

SARS: 勇気ある独自の判断?

(JAFSA-ML「ひろば」向け7日及び9日付の投稿より構成)

 国際機関であるWHOは、当事国の協力なしに強制査察などはできませんから、基本的には各国の公式発表をそのまま取りまとめて報告せざるを得ない立場で、よほどのこと(4月の情報隠蔽のような)がない限りは、日報(update)の中で嫌味を言うのがせいぜいです。例えば6月3日付けの update-72(感染症情報センター訳)では、最近の新症例の減少について触れつつも、

http://idsc.nih.go....

> 中国では最近数週間に、サーベイランス、報告、感染制御、一般の認知度に大
> きな改善が見られるが、幾つかの省における症例検知の感度と、SARSの問題の
> 大きさに対応するための保健基盤の許容能力に関して、WHOは引き続き懸念を
> 示している。特に問題となるのは、おおよそ半分に上る多数の新規症例報告が、
> 曝露源や曝露の状況に関する情報なしに報告されていることである。この情報
> 無しには、WHOが地域内伝播の広がり具合を評価することは非常に難しくなる。

とありますが、これを要約すると、「中国政府の言うことを鵜呑みにはできない」……になりますよね、やっぱり。

 北京では既に、7月10日にWHOからの渡航延期勧告が解除されるという想定でキャンペーンを始めているというニュースは先日ご紹介いたしましたし、まるで、それをめがけて患者数が調整されているのではないかと見紛うばかりの(?)最近の公式発表も皆様ご承知のとおりです。
 一方香港のメディアからは、情報の隠蔽を糾弾するすっぱ抜きが立て続けに出されています。最近出たもので強烈なのがこれ:

New SARS disaster looms in Beijing (Asia Times Online)
http://www.atimes.c...

 北京郊外の団地で、香港のアモイ・ガーデンのような集団感染が発生しているが、北京市当局は感染拡大防止措置を採ってくれないし、地元住民によるインターネットの掲示板への書き込みも片っ端から削除されている、というもので、ご丁寧にも住民から市長宛の直訴状の文面まで掲載されています。

 さすがのWHOもこのギャップにたまりかねた模様で、週明けにも中国当局に事情説明を求めるとのことです。
 そしてそういうことになっているという話は、日本国内のメジャーな報道にはなかなか出てきません。いつものことですが……。

WHO Cautious About China's SARS Reports (Reuters)
http://www.reuters....

 世間は万景峰号の入港中止と盧武鉉韓国大統領関連のニュースで持ちきりでして、テレビのニュースを見ていても触れもしなかったのですが(朝刊の扱いはどうなるやら?)

渡航情報(危険情報:中国)の発出
http://www.pubanzen...

ということで、北京他の特定地域を除く、中国全土に対する危険情報を解除しました。
 各地の現在のステータスは以下のとおり:

>   ●北京市、天津市、河北省、山西省及び内モンゴル自治区
>    :「渡航の是非を検討して下さい」
>     (不要不急の渡航については延期をおすすめします)(継続)
>
>   ●広東省、吉林省、湖北省、江蘇省及び陜西省
>    :「十分注意して下さい」(継続)
>
>   ●アフガニスタン国境から100キロの範囲内の地域
>    :「渡航の延期をおすすめします」(継続)
>
>   ●全土(上記省、市、自治区及びアフガニスタン国境から
>    100キロの範囲内の地域を除く)
>    :「十分注意して下さい」の解除

 今回の解除の根拠については

>  5月の連休を背景にかなりの人口が国内を移動し、感染が域内感染地域にと
> どまらず、多くの省などに急速に拡大するものと見られていました。しかし、
> 約1ヶ月を経て、人口の全国規模の移動による感染の急速な拡大が抑制されて
> いる状況が見られる点を考慮し、上記省、市、自治区及び地域以外の地域に出
> していた「十分注意して下さい」を解除します。

とのことです。

 ……上記の地域には、WHOの渡航勧告が出ていた訳では確かにないのですが……いつもはWHOの動きを見てから動いている日本政府が、今回に限っては、WHOの事情説明要求とその回答を待たず、勇気をもって独自の判断を下した訳ですね(棒読み)。

WHO感染症部長が北京へ 中国政府と協議(共同電)
http://flash24.kyod...

 しばらくは、SARS番、続けないとしょうがなさそうですねぇ……(嘆息)
 みなさまもご協力ください。よろしくお願いします。

当ブログの記事内容はすべて管理人の私見であり、勤務先・所属組織等の公式見解ではありません。
03/06/10 23:00 - Hiro - - TrackBacks(No Trackbacks) - Permalink このエントリーを含むはてなブックマーク このエントリーをはてなブックマークに追加

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