この間、「踊る大捜査線 THE MOVIE 2」を見てきました。
オフィシャルサイトはこちら映画公式サイトは閉鎖され、スピンオフの「odoru-legend.com」に移行しています。
劇中の地図(パンフにもあり)には、旧 JAFSA 事務所のあった「東京国際交流館」もちゃんと映ってたり、見覚えのある場所が一杯出てきたので、ミーハーに喜んでおりました。
映画本編の方は……オープニングからラストまで、ノンストップで燃えること請け合いなのですが、私のようにインターネットを活動場所に選んだおたくにとっては、今回の主犯達のスタンスと、それを一蹴する形で飛び出すラストの青島刑事の決め台詞には、痛快に思う一方で、結構真剣に考えこんでしまうものがありました
(以下、クライマックスのネタバレがあるので、これから見るつもりのある人は読まない方がいいかも。)
(こういう空白のことを「ネタバレ改行」といいます。)
例によって複数の事件が同時進行するのですが、メインである連続殺人事件の犯人は、リストラされたサラリーマン。彼らが社会に報復するという動機の設定も、社会の実相を映しているといえるのでしょうが、5人の主犯には、リーダーがいません。目的だけを共有し、実行レベルは自己決定権を保持して、各自の判断で動いています。結果として生じる犯人グループの行動には統一性がなく、真面目に分析しようとしたアメリカ帰りの真下警視(元湾岸署勤務のキャリアだが立派になったねぇ)はそれに気づきますが対応を助言しようもない。
タテ組織、それもかなり硬直したタテ組織として描かれている警察は、まだ未完成であり、地図にない工事現場や道路がたくさんある街に潜む犯人にいいように振り回され、本庁期待の女性本部長として鳴り物入りで登場した沖田管理官も、現場で所轄刑事を拉致され、逮捕を試みた際には重傷者も出し、パニック寸前にまで追い詰められた挙句に更迭されてしまいます。
沖田管理官に脇に追いやられていた室井管理官は、本部長に復帰すると直ちに、本庁・所轄の捜査員を対等に扱う中で情報を集積・整理し、いくつかのポイントを割り出します。室井の「現場において、各自の判断で行動せよ」との命令の下、青島達がバラバラだった犯人の所在を特定、確保していきます。
そして残った犯人を捉えるため、お台場の交通を遮断する作戦に出ますが、高速道路と新交通システムが通るレインボー・ブリッジは、警察庁のみの権限で封鎖することができません。地団駄踏む青島達を嘲笑しつつ車で突破を図る犯人、思い余って走って追いかける青島(!?)。
犯人達は(よせばいいのに)車を降りて、走って追いついてきた青島を嘲笑します。警察は、橋ひとつ止められないのか、リーダーがいるから個人が死ぬのだ、と。
そんな犯人たちに対峙する青島。にやりと笑ってこう言い切るのです。
「どうかな。俺たちにはリーダーがいる。リーダーが優秀なら、組織も悪くない」
そのとき大音響とともにヘリコプターが現れ、上空からヘリで、青島の後方から特殊車両ハマーで、「現場の判断」でブリッジを強行封鎖した SAT が強襲をかけ、犯人を逮捕します。
そして、現場の独断専行を黙認(というより焚きつけた)室井は、これからが大変だ、と声をかけられて、「責任をとる。それが私の仕事だ」と応えるのです。
……さて、ごく普通のサラリーマンの方ですと、このわかりやすい究極の現場主義の発露に燃えるところなのでしょうし、私もそうでしたが、それにも関わらずなぜ私がこの映画を見て考え込んでしまうかというと……現在の私自身が、この犯人グループと、かなり近いロジックで動いているという自覚があるからだったりします。
いや、別に、誰かを殺そうとかそういう話ではなくて (^_^;)……今の自分は前職の職場であった組織によって作り上げられたものだし、いまやっていることも、その時代があったからこそ始めたことであることは間違いなく、そのための機会とスキルを与えてくれた職場の先輩たちにも感謝しているのですが……それと同時に、いま私がやっていることは、私が独自の判断と自己の責任でゲリラ的に行動しているからこそ実現できている部分が多々あることも事実で、こんな私を、ありのままに受け入れてくれる組織が、果たしてあるだろうか、と、考えずにはいられません。
……「おたくは地球を救えるか」などとうそぶいてはいますが、さすがに一人で救えるとは思わない程度には、私も年を取りました(遠い目)
本題は以上なのですが、他にも……ストーリーの枝、というか小道具の扱いで出てきていた「C.A.R.A.S.」システム=エリア内のありとあらゆるカメラをすべて監視室に接続、監視・盗聴するシステムは、幹線道路の「Nシステム」等として既に雛形が稼働し始めていますが、作品中でも、青島刑事達の反発におかまいなく、作品中盤ですごい威力を発揮していました。おそらく実際の犯罪捜査においても、実用化されれば同様の効果を挙げることでしょうが、それでいいのか? というのも、深刻な問題ではあります。